2014年12月14日日曜日

20日目の、「取材初日」

「取材」初日終了しました。
成果は――。予定していた内容の30%止まり……。
無念です。
本日訪問したのはモガディシュ港でした。
現在ソマリアの経済活動において大動脈となっている海路。
その最大の玄関口である同港で「荷揚げされているのは何か」、「どの程度の頻度で商船が来ているのか」、「働いている人々はどのような表情で何を語るのか」、それを一年前の取材時と比較するのが趣旨でした。


移動中に遭遇した超過積載車。
珍しくコンボイの準備もスムーズに進み、国連施設内から港まで、約20分の道程も全く問題なし。そして港内に続く入り口のゲートをくぐると伝わってくる明らかに去年以上の活気――
出発の手続き待ちで行列を作る、優に100台を超える大型トレーラー。
もちろん、すべてのトレーラーが車高の二倍以上の高さまで積み荷を積んだ超過積載。
作業員らしき人々を載せ、ひたすら警笛を鳴らしながら縦横無尽に走り回る大量のリキシャ(インドなどでメジャーな三輪車)。
――そのカオス感漂う雰囲気は、昨年とは比較にならないエネルギーに満ち溢れていました。
「これは、いい写真が撮れそうだ!ウガンダ軍に滞在は30分と伝えたけど、先に延長の申し入れしようかな」と私のテンションもかなり上がりました。(※セキュリティーの関係で、コンボイを依頼する際、事前にどこにどれくらい滞在するかを申告しなければならないため)
「写真的にはもう少し陽が傾いてくれた方が良い絵になるんだけどな…」と贅沢な事を考えながら、ブリーフィングを受けるため港内の高台に駐屯しているウガンダ軍のベースキャンプに立ち寄りました。
すると、「港内で撮影をするためには現在港の運用補助をしているトルコとソマリアの税関に許可を得る必要がある。しかも特に税関は外部の人間が立ち入る事にたいして非常に神経質になっているので、許可を得るにはかなり時間を要する上なかなか困難だと思う」とのお話。
一度、かなり上がった分だけテンションはただ下がりです。
ただそれを聞いて「そうですか、分かりました」といって帰るわけにも行かないので、なんとか取材する方法はないか相談したところ、「港内での取材は如何ともし難いが、ウガンダ軍駐屯地敷地内から撮影するぶんには問題ないだろう」と、一応撮影はできることになりました。
荷揚げ中の貨物船とかんしとう
昨年は貨物船が接舷しているすぐ側で比較的自由に取材できたのに、今回は300メートルほど離れた丘からの写真撮影のみ……。
しかも立ち入れない場所に魅力的な被写体が数えきれないほど存在しているのは分かっている……。
ただ、ただ無念でした。
でも今回一年ぶりにモガディシュを訪問してみて覚えた違和感。
その正体が自分の中で明確になってきたのだけが大きな収穫といえば収穫です。
携帯電話の相互通話・インターネット接続が不可になったのも、税関が部外者の立ち入りを嫌がるようになったのも、間違いなく昨年よりビジネスの規模が大きくなったためだと思います。
当然そこには大きな利権や様々な問題が生まれ、それを取り締まる組織が未成熟な社会では色々な歪が生み出される事に…。
というわけで、運良く月曜日の午前中にモガディシュから40キロほど離れた町で、ブルンジ軍がソマリア警察のトレーニングを行うとのことだったので、気持ちを切り替えて同行させてもらうことにしました。
残された時間も少ないので、実現の可能性にプライオリティーをおいて、取材を進めます。
※明日(日曜日)のお昼頃にブルンジ軍のベースキャンプに移動し、そこで一泊させてもらい、月曜日早朝に現地入りする予定です。

建設中の新空港ターミナルビル

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